故田村元(はじめ)・元衆院議長の足跡をたどる追悼本
「田村元とその時代−55年体制を生きた政治家」(創英社・三省堂書店)
を、娘婿の盛山正仁(まさひと)法務副大臣が執筆した。
1106ページ、税別3700円。
田村氏は1955年衆院選の旧三重2区で初当選。
衆院議員を計14期務め、運輸相、通産相、自民党最高顧問などを歴任。
2014年11月に90歳で死去した。
追悼本では
(1)ロッキード事件で逮捕・保釈された田中角栄元首相に「あんたね、刑事
被告人なんだから派閥の膨張ばかりやらん方がよいよ」と注意し、
マッチ箱を投げ合うケンカになった
(2)引退の際「老兵は去らなければならない。一緒に辞めよう」と中曽根
康弘氏を誘ったが断られた
−などのエピソードを紹介。
長崎での原爆体験から、原発政策には
「歴代通産相の中で一番不熱心だったかもしれない」
と自らを評していたこと、
「憲法九条の改正にはどうしても賛成できない」
と語っていたことなど、政策の幅が広かったかつての自民党を想起させる
話も出てくる。
東京新聞[2016年1月10日]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016011002000122.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/images/PK2016011002100035_size0.jpg